会場はすでに満足感に満ちあふれていた。
大トリに登場したのはトクマルシューゴ。まずはトクマルに加え、岸田佳也（Drums）とユミコ（Accordion, Glocken)のトリオ編成で静かにスタート。
"Linne"の演奏が始まると、ステージの天井に住む無数の小鳥たちの鳴き声が彩りを添え、幻想的な幕開けとなった。奇跡的にも「鳥が飛んでいく」という歌詞のところで小鳥たちが飛び立つという場面も。

1曲目の演奏が終わるとイトケン（Toy Piano, Pianica, Drum）、田中馨(Bass)、シャンソンシゲル（Toy Percussion, Andes)が加わり、6人のフル編成での演奏となった。

前半はテンポ感のあるセットで展開され、ツインドラムのリズムに加え、トイパーカッションやグロッケン等の映えるスピード感溢れるパーカッシブルな演奏で、グイグイとオーディエンスを引っ張っていく。

途中、マジックバンドのメンバーが一旦さがり、トクマルのソロを挟んだ。
ソロでの演奏により楽曲やメロディーの美しさがひときわ際立ち、少し陰った空のもと、聴き手にそっと寄り添い、しっとりと染み入っていった。

ソロ演奏が終わると、再びバンドメンバーが呼び戻され、1stアルバムの一曲目に収録の"Such a Color"、そしてもはや代表曲とも言える"Parachute"とが立て続けに演奏される。 オーディエンスの熱狂も相まって、メンバーたちも楽しそうに演奏している姿が印象的だった。
イベントについてもMCで触れ「今日ここに、いろんな人がいて、いろんなことがあったと思う。いろんな思いが合ってそれで良いんです。それでもみんなが、今日はここに来て良かった、と思ってくれたら、それが一番良い！」と力強く言う言葉に、会場が拍手喝采に包まれる。そういうフェスなんだと、改めて認識させられた。

アンコールでは、この日初披露となる新曲が演奏され会場はさらに盛り上がりを見せた。
ラストには"Rum Hee"と"Malerina"で、会場中の手拍子ととも演奏。
大団円にて『TONOFON Festival 2011』は幕を閉じた。