パスカルズインタビュー

ロケット・マツ:クリスチさん(クリスチィヌ)も原さんもそれぞれのライブがあるんですよ、クリスチさんは僕も参加しているmamaclio。原君はトイメンシャオとか色んなセッションがあるよね?

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原さとし:ロンサムストリングスとか。

―ロンサムストリングスで演奏されている時と見え方違いますよね?

原さとし:全然違う、大人と子供みたいな(笑)

クリスチィヌ:パスカルズの時は必ず被りものをやってますよね。

原さとし:だって石川さんと知久君の間に挟まれていたら何をやっても目立たないから(笑)影響があるんですよ、両巨頭(石川、知久)が色んな事をやっているし、後ろは後ろで(チェロの坂本弘道さんが)すごい火花が散らしているから…すごいポイントだよ。
後ろと言えば、(トランペットの)風人さんはすごくパスカルズを象徴する様な音だなって、いつも後ろから聴こえてくる音を聴きながらいつも思っていて。風人さんがいなくなったら成り立たないんじゃないかなって本当に思う。

トクマル:マツさんの兄弟ですよね?

ロケット・マツ:うちの弟です。最初にパスカルズをやる時に弟がたまたま家に物を取りに来て、「そういえばトランペット吹けなかったっけ?」って言ったら、弟が「まだ持っているよ」って言ったので...あれはヒットだったかなぁ。あそこで家に来ていなかったら別の人が入っていたかもしれない。

トクマル:いい音ですよね。すごく好きです。

ロケット・マツ:なんかあったら使ってやって下さい。まず、ちゃんとフレーズは吹けないと思うけど(笑)

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クリスチィヌ:9歳よりバイオリンを弾き始める。
様々なミュージシャンのサポートや、ユニットへの参加。
自身のバンドmamaclioでも活動。

クリスチィヌ:他のメンバーも、例えばツアーに誰か行けないとか、他のライブでどうしてもいないとか、そういう時に他の方に代わりに入って頂くんですけど、不思議な事にすごくやりにくかったりするんですよ。上手だから良いって訳でも無くて多分長年一緒にやっていて、その音とか息づかいとか、タイミングに慣れているせいもあるんですけど。

―やはりそういう人達と一緒にやっていると家族に近くなるというか、演奏と生活がリンクしますか?

ロケット・マツ:やっぱりこうツアーもずっとやっているんで家族というかなんだろう…

クリスチィヌ:親戚みたいな感じ。

ロケット・マツ:うん。やっぱりライブの日にみんなの顔を見るとなんかホッとするっていうか、それまで上手くいくか心配だったのに、ちょっとみんなで音を出しただけで「あっ大丈夫」って思ったり、なんていうか安心感がある。

クリスチィヌ:仲が悪い訳じゃないんですけど、別に普段わざわざ連絡を取る訳でも無く、ライブの時に会って、でも会うと普通で。距離感が調度良い。あんまり干渉し合わないし。それこそ価値観とかも全然違うと思うんですけど、そういう事も何も気にしないっていう。

トクマル:前に一緒にやった時もライブハウスの入り時間に、メンバーみんなが「久しぶり~」みたいなノリで会っていて、リハーサルが始まって、曲を演奏しながら知久さんが「(曲が)ほんといいよねー」とか言ってて、これはすごいバンドだと。そんな感覚でやるバンドってあんまりないと思うんですよね。

クリスチィヌ:リハーサルもやる人とやらない人といて、石川さんは呼ばれなかったり(笑)

ロケット・マツ:石川君は決め事が一切ないですからね。

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クリスチィヌ:(石川さんが)前に言ってましたね、パスカルズは好きにやらしてくれて、ここでこれはやっちゃ駄目とかが無いって。
でも、ここで何かやってくれって言った時には出来なかったですよね(笑)ここでドラムを叩いてくれって言ったら、後ろで(お腹を叩いて)こうやってたり。でもマツさんはそれも何も言わなかったですよね。

一同(笑)

ロケット・マツ:もうあきらめた(笑)

クリスチィヌ:石川さんは自分で決めて何かやるより即興が好きで、パフォーマンスも他では出来ないけどパスカルズだと自由にやらせてくれるってすごく言っていました。

※TONOFON FESTIVAL 2011では、石川さんはなぜか犬を連れて登場しました。

―石川さんのそういった部分がバンドに必要だと思って誘ったんですか?

ロケット・マツ:トイピアノのあかねさんがキーマン的なところがあるのかな、原さんの事もそうだけど、石川君も最初イベントに出る時にあかねさんが連れてきたんですよ。それで練習をしてみようっていう時に石川君が来たんだけど、練習なのに一曲目でいきなりフロアタムにビー玉をブワーってばら撒いて(笑)それで「あっ、この人について行こう」って思って。
インストバンドだから、結構暗い曲もあるし、石川君のああいう解放感が助けになっている部分はあると思います。

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―曲を作っている段階から14人の音が頭にイメージとしてあるんでしょうか?

ロケット・マツ:曲自体はボワーッとイメージがあって、シンセサイザーのバイオリンとかリコーダーの音源でアレンジしながら作る曲もあるし、最初からみんなの音が頭で鳴っていて作る曲もありますね。なんとなくですけど大きな器の様な曲が出来たらいいと思っているんですよね。その中を色んな物が通過できるような、そういうイメージがあるんですけど。

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―逆にトクマルさんはどうですか?

トクマル:先に作りたいものをイメージしてから欠片が寄せ集まってくる感じというか、磁石で砂鉄を集める感覚に近いかもしれないですね。メロディやフレーズが一緒にくっついてきてそれをグルグル回してる感じで、ライブの事を考えるのはその後です。

―マツさんから見たトクマルさんの印象ってどうですか?

ロケット・マツ:トクマル君の事は、フランスツアーに行った時、各地でいろんな人から話を聞いていました。実際 にCDは聴いた事が無かったんですが、晴れ豆でツーマンでやった時に初めてお会いしました。やりたい事がすごくあってそれがどんどん形になって出ていっているのをすごく感じて、すごく羨ましかったです。どんどん出てくる感じが素晴らしいなと思います。あとバンドはもう一体どこがどうなっているんだろうみたいな、サーカスみたいな感じだよね(笑)

トクマル:僕から見たパスカルズもそうですけど(笑) 
あ、これは聞いてみたかったんですが、『パスカルズとは』というか、目的というか、そういうってあるんですか?

ロケット・マツ:まあ、みんな病気をせずに、こういう良い感じを少しでも長く続けていけたらっていう事かな(笑)僕は今のままで十分。お客さんも来てくれるから。でも、もうちょっと来てくれてもいいんだけど(笑)今のバランスが崩れたら嫌だと思うし。かといって、あまり消極的な感じでもないんですけど。

トクマル:TONOFONのDVDには収録されてるんですが、ライブでやっている『かもめ』はいつかCDには収録されないんですか?

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ロケット・マツ:今度出るCDには入ります。ただレコーディングするのが難しくて。だんだん盛り上がっていくんですけど、僕が最後の(終わりの)合図を出せなくって、あれは難しかったよね。でも今度のCDには入ります。発売日はまだ正式に決まっていないんです。今年パスカルズは18年目で新しいCDは17歳という事で、よほどの反対が無い限り『seventeen』というタイトルにしようと思っています。

―もうtwitterで発表されてましたよね。

原さとし:お客さんの方が先に知っていた(笑)

クリスチィヌ:twitterで知って、えーっ!て(笑)

原さとし:そうそう、友達から逆にタイトル決まったらしいねって言われて、えーっ!?そうなのーって。

クリスチィヌ:反対しても遅いってね。

ロケット・マツ:すみません(笑)

※後日ご連絡を頂き、アルバムの発売日は2012年9月2日に、タイトルは「17才」に決まったそうです!

そんなCDリリースを控えているパスカルズのホームページはこちら

ベイルート×トクマルシューゴ インタビュー写真

【2012年6月12日】

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